FX通貨を徹底攻略!
FXで勝利を収めるには、通貨の特徴を知ることからはじまる。
ドル・ユーロなど主要通貨をはじめ、豪ドル・NZドル・ランドなど人気の高金利通貨の良いクセ、悪いクセを徹底分析!
動かなくなったドル円
ドル円はかつて一番動きの激しい通貨の1つでした。
昔の日本の銀行のディーリングルームでの取引はドル円がほとんどであり、ドル円の担当をするディーラーは花形といわれた時期もありました、
新聞などで円相場はドル円の事を指しているのがそのころの名残です。
1993年、その頃のドル円は最も激しく動いているときでした。
この頃、アメリカではクリントン政権が発足したばかりで、日本とアメリカには貿易摩擦問題が勃発していました。
今のアメリカと中国のようなものです。
アメリカでは日本との貿易赤字が膨れ上がっていて日本に対する批判の声が上がっていました。
この声にこたえるようにクリントン大統領は、日本に対して規制緩和をしてアメリカの企業が日本へ進出できるように求めてきました。
しかし、日本の対応はアメリカの期待するようなスピードでは進みませんでした。
そこで、今度は為替をドル安円高にすると圧力をかけてきたわけです。
日本の投資家にしてみれば、今まで安心してアメリカの債権などに投資をしていた中で、突然円高にすると言われたのですからたまったものではありません。
米ドルの投売りが始まり、激しい円高相場になりました。
ちなみにこの流れで1995年4月にドル円は79円75銭という市場最安値をつけたのです。
当時は、連日のように投資家・企業などがドル売り円買いをしてきます。
ひどい日になるとレートが1円刻みで飛んでいくことありました。
今、個人投資家の皆さんは証拠金の会社が常に数ポイントでレートを提供してもらえるものと信じているようですが、市場が壊れてしまえば証拠金会社の裏にあるカバー先の銀行が、狭いスプレッドではレートを出さなくなる可能性もあるわけです。
あまり激しく動くので顧客のドル売り円買いを市場でカバーできず、仕方なく予め大量にドル売り円買いをしておくのですが、それでも売り注文の殺到が凄く、殆ど顧客にディーラーが自分で建てたドルショートを取られてしまう毎日だったそうです。
短期間での動きの激しさという点では、1998年10月が衝撃的でした。
この年は日本の景気が再び後退し、金利がまた低下していくことに注目して米国の大手ヘッジファンドが大量にドル円を買って仕掛けてきました。
当時、こうした取引を円キャリートレードと呼んでいましたが、実態はただのドル円のロング(ドル買い円売り)ポジションを作っていただけなのです。
1つのファンドで数百億ドル(数兆円)というポジションを持っているところもあったようです。
こうした激しい仕掛けの結果ドル円は7月には147円台まで上昇していましたが、その後、市場にも若干の調整が入り130円台で推移していました。
そうしたときにロシアで金融危機が発生しました。
当時、ロシアはヘッジファンドが投資先として狙っていたところで、ここでも金融危機が彼らに大きな打撃を与えました。
投資家はファンドからの資金の引き上げを行ったためにファンドはやむなく持っているポジションを閉じざる得なくなりました。
当時、1番大量に持っていたのがドル円の買いポジションで、これが10月に一気に湧き出てきたのです。
最も激しかったのは、7日と8日でした。
市場からレートが消えてしまい、再びレートが出てくると途端に絶叫売りが起き、またレートが消える。
しばらくレートがない状態が続いて、次にでてくるれーとは直近よりも2円下がったレベルなどという事態まで発生し、131円から111円まで2日間で何と20円も円高が進んだのです。
この年はドル円を勝っていれば儲かる年だったのが、風船を針でつついたような衝撃で多くの投資家が悪夢を見せられました。
相場というのは、いつ安心しきっている投資家に牙を向いてくるかわからない、という貴重な体験となりました。
しかし、それに比べて、現在のドル円は本当に動かなくなりました。
下の表を見てください。
これはドル円相場のそれぞれの年における1年間の高値と安値の差ですが、これを見るとドル円が如何に動かなくなったかがお分かりになると思います。

どうしてこういうことになってしまったのか?
明確な答えはありませんが、まずドル円は以前ほど政治の道具にされなくなってきたというのはあると思います。
かつては貿易戦争などで、ドル円が作為的に動かされているがしばしばありました。
しかし、最近は中国に矛先が移っているので、やや蚊帳の外におかれていたということと、ブッシュ・小泉の間が非常に良好だったので、お互いにいがみ合わなかったという面もあると思います。
更に120円を大きく超えるような円安がなかったことで、そんなに問題にならなかったという面もあると思います。
それと、もう1点はご存知のとおり、2001年からはドル以外の通貨に対して全体的に円安がずっと進んできました。
実はその間米ドルも同じようにドンドン下落していきました。
円も弱かったのですが、米ドルも弱かったので弱いもの同士で、ドル円はあまりどちらにも動きようがなかったのではないかと思います。
また、この通貨は120円近辺になると途端に動きが鈍くなる修正があるということです。
下のチャートはここ10年ほどのドル円の動きですが、見ていただければわかるように120円近辺でもみ合ったことが何度もあるのがわかると思います。
日本の為替政策は財務省が権限をもっていますが、日本は米国との貿易で成長してきた国なので、ドル円の為替レートにはとても気を使っていました。
円高になってしまえば、輸出企業が大きな打撃を受けます。
逆に円安になりすぎるとアメリカから文句がでてくるので、何とかちょうどいいレベルで為替を安定させたいというのが、財務省の願いです。

しかし財務省の期待通りに相場が動くわけではないので、どちらかに相場が大きく振れると為替介入という手段を使って、市場を安定させようと努力をしてきました。
過去の為替介入がはいった水準を見てみると、120円を中心にそこからある程度ドル高円安にいったところでドル売り円買い介入、逆に120円よりドル安円高水準に、ドル買い円売り介入が集中しています。
マーケット参加者の多くは120円を境に当局の介入をけん制しながら取引をするようになるため、ドル円は120円を中心に115円-125円で動きが鈍くなるのだと推測されます。
最後にこの先、米国経済が落ち込むので米ドルが下落していくという専門家がいます。
果たしてそうでしょうか?
今、米国経済が徐々に減速してきているのは、誰が見ても明らかです。
そのため対円以外の通貨では歴史的なドル安になっています。
それにアメリカ経済がこければ、当然、日本の経済にとっても大打撃です。
そうなれば、景気がまた悪くなって日本の金利は上がらなくなります。
そうなれば低金利が続いて、また円安が続いてしまうということも起きます。
むしろ、これだけ米国経済に不安を感じているのであれば、もし意外に強いとなったときのほうが影響は大きいと思います。
そうなれば125円を超えるようなドル高円安が今年中にやってくるでしょう。
アメリカの経済に関しては赤字が大きくなっているので、いつも不安がつきまとっています。
そのため常に米ドル暴落論というものが出てきます。
あまりそうした極端な話は面白い話だなという程度に聞いておくことです。
ドル円の取引ポイント
ドル円は現在の環境、現在の相場水準では余程のことがなければ中々大きく動かないという認識が必要です。
またしばしば3円程度のレンジ相場に入り込んでしまうのがこの通貨の特徴でもあります。
そういう意味においては、短期取引をする人には意外に魅力ある通貨なのかもしれません。
例えば、ある時期だけとってみれば3円程度のレンジ相場に入り込むのであれば、そのレンジの下で買って上がったところを売り抜く。
そして、また下がったら買って売り抜くということが何度も続けられる続けられるチャンスがあります。
もっとレベルが上がれば、押し目(下がったところ)買って、上がったところでドテン(買いから売りにひっくり返す)して、また下でドテンを繰り返すなんていう荒業もできるかもしれません。
実際に今はレンジ相場なんだと決めて1-2円下がったら買って、1-2円上がったら売るという行動を繰り返して成功しているファンドマネージャーもいます。
個人投資家もこうしたルールをきめてやれば、トレンドがでなくても結構儲かってしまったということもありうる通貨だと思います。
また最近変動率が低下しているのであれば、買ったままじっとしてスワップを稼ぐという手法にも使えるのではないでしょうか。
2円ほど前までは米ドルの金利は低かったので、それほど魅力はありませんでしたが、今は5.25%と相対的にかなり高い金利になっています。
スワップ稼ぎのドル円の買いというのも面白い作戦かもしれません。